文部科学省の統計によると全国の小中学校で27人に1人が不登校です。その背景については、色々取り沙汰されていますが、”親子の距離感”が昭和とガラリと変わったことも実は大きな要因の一つだと思います。今やクラスに1人はいる計算ですが、その背景を見つめ直すと、昭和から令和にかけての「家庭環境と親子の距離感の激変」が浮かび上がってきます。
昭和の家庭は、良くも悪くも子どもに対して「大雑把」でした。兄弟がいる家庭も多く、一人の子どもに対する注目が分散されており、子どもは適度な放任の中で、自立心やレジリエンス(折れない心)を自然と育む機会がありました。また、子どもに関わる大人は、親や学校の先生以外に地域コミュニティにも存在していました。
一方、現代は少子化が進み、SNSで「正解の育児論」が溢れる時代です。熱心な保護者ほど失敗を恐れ、子どもの課題に先回りしてフォローしてしまう傾向が見受けられます。この「密度の高すぎる関わり」が、結果として子どもに息苦しさを与えてしまったり、子ども自身の”不快”や”困り”の自己処理の機会を奪ってしまいます。
過干渉は、深い愛情故に起こるのでありません。保護者自身の「育児プレッシャー」や少子化による「子へのエネルギーの一極集中化」によるものです。言い換えれば、保護者自身の不安の投影です。そしてそのような関わりの中では、親子のバウンダリーの曖昧さが生じます。自分の子どもであっても”自分”ではありません。現代の保護者に求められるのは、「私は私、子どもは子ども」と一歩引いて見守る関わり方です。”転ばぬ先の杖”ではなく、子どもなのだから、失敗をどんどんさせることも大切です。保護者は少し肩の力を抜き、家庭に心地よい”遊びの余白”を作ることこそが、子どもの自立へと向かうエネルギーを動かす第一歩になります。
南青山カウンセリングサロン@ease 新倉佳久子
