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2026.08.26   コラム

「職場の人間関係に疲れた」と感じたら|心の境界線(バウンダリー)の引き方

「職場の人間関係に疲れた」と感じていませんか。

朝、出社の準備をしながら気が重くなる。特定の人の名前が表示されるだけで、メールを開く手が止まる。仕事そのものは嫌いではないのに、人との関わりだけが重たく感じられる。

職場の人間関係の悩みは、外から見えにくいものです。怒鳴られたわけでも、明確ないじめがあるわけでもない。ただ、少しずつ気を遣い、少しずつ飲み込み、少しずつ譲っているうちに消耗していく。

このような疲れは、我慢が足りないから起きるのではありません。むしろ、我慢が上手な方ほど、負担が積み重なってしまうことがあります。

この記事では、心理学で「バウンダリー(境界線)」と呼ばれる考え方をもとに、相手を変えようとせず、自分の側から人間関係の負荷を減らしていく方法をご紹介します。

朝の光を受けた草の葉に残る露

「疲れた」の正体は、相手ではなく「関わり方」にも起因している

職場で消耗していると、「あの上司さえいなければ」「あの人が異動すれば楽になるのに」と、原因を特定の相手に求めたくなります。実際に、その人の言動が負荷になっていることもあります。

一方で、部署を変えても、転職しても、似たような関係が繰り返されることがあります。頼まれごとが集まる、相手の機嫌をうかがう、場の空気を保つ役割を引き受ける。こうした場合、相手の問題だけでなく、自分と相手との間にある「線」が曖昧になっている可能性があります。

我慢は一時的には上手くいく。だから続いてしまう

その場を収めるために引き受ける。角が立たないように飲み込む。こうした対処は、短期的には確かに機能します。しかし、上手くいってしまうからこそ繰り返されます。

周囲は「この人に頼めば引き受けてくれる」と学習し、自分自身も「断ったら何が起きるのか」を経験しないまま、断ることへの不安が大きくなっていきます。

こんなサインがあったら、負荷が積み上がっているかもしれません

・日曜の夕方から気分が重くなり、月曜の朝が特につらい

・特定の人の名前や着信を見ると、動悸や肩・胃の緊張など身体が反応する

・帰宅後、その日のやりとりを何度も思い出してしまう

・寝つけない、または夜中に目が覚めて考えごとが始まる

・休日になっても気が休まらず、回復した感覚がない

いくつか当てはまる場合は、自力で自然に回復できる範囲を超えている可能性があります。

心の境界線(バウンダリー)とは

心理学では、自分と他者との間にある心理的な区切りを「バウンダリー」と呼びます。

境界線は、相手を締め出す壁ではありません。むしろ、関係を続けながら、自分自身を守るための「線」です。たとえば、同僚が不機嫌なとき、「この人は今、機嫌が悪いようだ」と観察できれば、その感情は相手のものとして捉えられます。

一方で、「自分が何かしてしまったのだろうか」「自分が何とかしなければ」と考え始めると、相手の感情まで自分の課題として引き受けることになります。感じ取ることと、引き受けることは別のことです。

境界線が曖昧になりやすい3つの場面

1.頼まれた瞬間に「はい」と答えてしまう

自分の状況を確認する前に引き受けていないでしょうか。返事までの時間が短ければ、考えて判断することができません。

2.相手の感情を自分の責任にしてしまう

上司の苛立ちや同僚の落ち込みに気づくことは、決して悪いことではありません。ただし、「気づいた」から「自分が何とかしなければ」となると、相手の課題まで背負うことになります。

3.評価や期待に応え続ける

「あなたなら分かってくれる」「あなたならできる」と言われると、うれしい反面、断りにくくなることがあります。期待に応えることが習慣になると、自分が本当はどうしたいのかを考える機会が減ってしまいます。

明日からできる、境界線の引き方

引き受ける前に「一拍おく」

頼まれたらすぐに返事をせず、考える時間をつくります。大切なのは、自分で判断するための時間を作ることです。「できません」と言い切ることが難しい場合は、「今の案件とどちらを優先するか、ご相談させてください」「今週は難しいですが、来週なら対応できます」と条件を添えてみましょう。特に上司が相手の場合は、優先順位をひとりで抱えず、指示を出す側と共有することにもつながります。

「相手の感情を、自分の責任として引き受けない」

「相手は不機嫌そうだ」というのは観察です。「自分が何かしたからだ」というのは推測です。推測を事実として扱わない。それだけでも、心理的な負担は変わります。

「職場を出たら、行動で区切る」

「帰宅してからも仕事のことを考えてしまう」という場合は、気持ちを切り替えようとするより、行動で区切りをつくる方法があります。

・帰路、駅の決まった場所に着いたら、仕事のことを考えない

・帰宅したら直ぐ着替える、歯を磨くなど、切り替えの動作を決める

・その日のモヤモヤを解決は考えずに数行だけ書き出してみる

朝もやの中に静かに浮かぶ遠い山並み

それでも消耗が続くとき

職場が変わっても似た関係が繰り返される。頭では分かっているのに、その場になると同じ反応をしてしまう。こうしたパターンは、自分自身では気づきにくいものです。長く続けてきた関わり方ほど、自分にとっては「当たり前」になっているからです。

信頼できる人に話すことは大きな助けになります。ただ、親しい人ほど「相手が悪い」「気にしないほうがいい」と励ましたり、アドバイスをしたりすることもあります。カウンセリングは、アドバイスを受けることを目的とするのではなく、ご自身が主体となって、考えや感情を整理していきます。カウンセラーは評価や否定をせずに話を聴きながら、ご自身では気づいていない考え方の癖や、本当の気持ちに近づけるよう対話を重ねていきます。

カウンセリングでは、実際に何をするのか

セッションは、ご自身が話したいところから始まります。順序立てて説明する必要はありません。「何から話せばいいか分からない」という状態でも大丈夫です。言語化をカウンセラーがお手伝いします。

対話を重ねることで、自分の状態を少し客観的に見られるようになることがあります。また、「なぜ自分はいつもこう反応してしまうのか」という背景に気づいていくこともあります。

変化のスピードは一人ひとり異なります。一度のセッションで気持ちが整理されることもあれば、時間をかけて少しずつ進んでいくこともあります。

当サロンでのカウンセリング

カウンセリングサロン@easeは、東京都港区南青山にあります。青山一丁目駅出口5より徒歩1分。お仕事帰りにも休日にもお越しいただけます。

完全予約制で、ご予約はフォームからお申し込み日の4日以降の日時をご指定ください。

医療機関との違いについて

当サロンは医療機関ではありません。診断や投薬は行っておらず、カウンセリング(心理療法)による支援を専門としています。精神科・心療内科に通院されている方は、主治医とご相談のうえ、同意書をご提出いただいています。治療と並行して心理面の支援を受けていただくことは可能ですが、ご状態によっては、お引き受けできない場合があります。

代表カウンセラーは臨床心理士・公認心理師の資格を持ち、20年以上にわたり心理臨床に携わってきました。産業領域では、上場企業の休職・復職者支援に9年間携わり、企業でのストレスマネジメント研修も行ってきました。職場の人間関係のご相談は、その中でも長く扱ってきた領域です。

よくあるご質問

  • Q. 何を話せばよいか分からなくても大丈夫ですか。
  • A. はい。「何から話せばいいか分からない」というところから始めていただけます。言葉にならない気持ちを一緒に整理していくことも、カウンセリングの一部です。一度だけのご利用も可能です。
  • Q. 職場に知られることはありませんか。
  • A. 当サロンは守秘義務を厳守しています。ご本人の同意なく、ご相談内容や個人情報を第三者に提供することはありません(法令により開示が求められる場合など、限られた例外を除きます)。
  • Q. カウンセリングを受ければ、人間関係は改善しますか。
  • A. 相手や職場そのものを変えることはできません。カウンセリングで扱うのは、ご自身の受け止め方や関わり方です。そこが変わることで関係が変化する場合もあれば、変わらない関係とどう距離を取るかを考える場合もあります。

ひとりで抱えるだけでなく「誰かに話してもいい」と思えたときが、カウンセリングを考えるひとつのタイミングです。

港区南青山のカウンセリングサロン@easeは、安心してありのままを話せる場であることを大切にしています。

 

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